尺別訪問記(2019年03月)

尺別は北海道釧路市音別町にある地域である。釧路市によると2020年2月現在で尺別(音別町尺別、音別町尺別原野基線、音別町尺別原野東)の人口は44人である。かつては炭鉱で栄えていた。炭鉱は旧尺別駅(尺別信号場)から内陸方面へ鉄道で10km程度行ったところにあった。そしてその鉄道路線に沿って人が住んでいた。今回は駅(現在信号場)付近のみを探訪した。

 

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尺別駅駅名標

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尺別駅駅舎

尺別駅に降りたのは私以外に二人か三人いた。廃止間近だったからだろう。列車を見送ってしまうと辺りは静かになった。釧路方面のホームの反対側には尺別鉄道用のホームがある。

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尺別駅尺別鉄道ホーム

跨線橋に昇ると駅前の廃墟群が見渡せた。

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尺別駅跨線橋から見渡す廃墟群

跨線橋を降りて駅舎に入ろうとする。が、建付けが悪いのか開くのに苦労する。

駅舎の中には駅が廃止されるのに関連して、尺別鉄道に関する書籍のコピーが壁に貼られている。

 

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駅舎を出て駅舎を撮影

廃墟その1。

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窓硝子は無くなっているものの建物自体はまだ健在。屋根が錆びている。

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家の中は荒れ果てている。

 

廃墟その2。もう少しで倒壊しそうだ。形状から見て、倉庫だった可能性もある。

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ハナミズキの家。新垣結衣が出た映画の撮影で使われたそうだ。

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道を進んで、太平洋に近付く。

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横を見ると幻想的な景色があった。現実ではないようだ。聖地といった感じがある。

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海岸に立つ。太平洋は限りなく拡がっている。

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道を引き返し、廃墟群に戻る。左を向いても右を向いても廃墟がある。

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廃墟その3。防犯連絡所の札がかかっている。但し廃墟である。玄関辺りが酷く傾いている。後5年もすれば玄関部分は崩れるのではないか。然し見たところ危ないのは玄関部分だけだ。家の中は後20年位は大丈夫だろう。

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廃墟その4。家の中までゴミで埋まっている。恐らく何処からか良からぬ人達が何度も捨てに来たのだろうと思う。この家に限らず、他の家や道にも不法投棄されていた。

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化学Aの教材がある。この棚にある書籍は元住人が残していったものだろうから、この家には高校生が住んでいたのだろう。それとよく分からない人形が画像右端部分にあるが、私には分からない。

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余談だが、ここ尺別には大量のアダルト雑誌・DVD・漫画が捨てられていた。内容はSMやロリというマニアックなジャンルが多かった。何故こんなところに打ち捨てられているのか。私なりに推測するに次のような流れがあったのではないかと思う。持ち主が普通に古紙回収に出したりゴミとして処分したりすることが出来ず、何処かの業者に何らかの形態で引き取って貰い、その業者が(若しくはまた別の業者を経由したかもしれない)ここに捨てに来た、という流れではないかと思う。でなければあんな大量に投棄されているはずはない。推測の域を出ないが。